INTERVIEW

すべての人へ、“別荘”という名の豊かさを

株式会社 it`s HOUSE

代表取締役 八島睦

『サードプレイスをすべての人へ』を掲げる株式会社it’s House。代表の八島睦さんは、建築業界で34年のキャリアを重ねる中で、日本の別荘保有率がわずか0.7%であることに注目し、別荘事業の立ち上げを決意。その背景には、日本社会と建築業界、双方が抱える課題に向き合いたいという想いがあった──。it’s Houseが一貫して手がけるのは、“資産価値の落ちない別荘”。その仕組みとこだわりについて、お話を伺った。

別荘に特化した、“サードプレイス”創造業

当社は、別荘建築をはじめ、別荘販売システムの開発や貸別荘の管理など、“別荘”に特化した事業を展開しています。ビジョンは「サードプレイスをすべての人へ」。“サードプレイス”とは、職場でも自宅でもなく、ただ日頃の疲れを癒し、心地よい非日常に没頭できる場所のこと。「自分自身に戻れる場所」と言ってもいいかもしれません。そんな別荘の保有率は、日本ではわずか0.7%。対してアメリカでは6%、ヨーロッパでは14~20%というデータがあります。「日本はGDP世界4位の豊かな国なのに、“真の豊かさ”をまだ知らないのかもしれない」。そう考えたことが、別荘事業に着目したきっかけでした。一方で建築業界に目を向けると、住宅着工数は2040年にかけて約30%の減少が見込まれており、中小の工務店をはじめ、多くの事業者が生き残りに苦しむ末路が予想されています。

これまで建築業界に30年身を置き、新しく事業を興そうと考えていた私は、何か業界の改善に繋がることはできないかと考えました。そこで思いついたのが、日本の別荘保有率を15%まで引き上げること。そうすれば、“別荘の施工”が、減少する住宅需要に代わる新たな収入の柱になります。日本人が“真の豊かさ”を手に入れるきっかけづくりにもなるでしょう。そうした想いから、私は別荘特化型の事業に取り組むことを決意しました。

機能・性能・デザインで叶える“稼げる別荘”

別荘が普及しない理由は、価格の高さ、使用頻度の少なさ、そして売却しにくさの3点にあります。だからこそ私たちは、「資産価値が落ちにくく、使わないときは貸別荘として運用できる」別荘づくりを追求しています。その実現において鍵となるのが、機能・性能・デザインの3要素です。当社の手がける別荘はすべて、高性能な断熱・気密構造をベースに、耐震等級3を取得。薄さわずか25mmの“風の出ない冷暖房パネル”を住宅用に開発し、常時稼働させることで建物全体の室温を一定に保ち、ヒートショックを最大限防ぎながら、電力効率を最適化しています。さらに、太陽光パネルとテスラ社製の大容量蓄電池を導入し、災害時にも停電することなく、いつも通りの生活が可能です。

また、貸し別荘として運用することで、オーナー様は年間利回り5~10%程度の収益を見込むことができます。これは当社が土地の取得段階から、想定収益をしっかりとシミュレーションしているためです。さらに建物の維持管理やゲスト対応、集客支援など、運用に関わるあらゆる業務もワンストップでサポート。「使う」と「貸し出す」を無理なく実現できる仕組みを整えています。こうした“オフグリッド設備”と高性能な構造、そしてシンプルで美しいデザインによって、建築物は「長く使いたい」「引き継ぎたくなる」資産へと変わっていきます。もちろん、サウナやファイヤーピットなど、別荘ならではの“非日常”を体験できる設備も忘れません。私たちが目指すのは、所有すること自体に価値のある建築であり、孫の世代にも「こんな別荘なら引き継ぎたい」と思ってもらえる別荘。その本質を突き詰めた結果が、現在の仕様なのです。

日本初、「Webで別荘を買える」仕組みとは

私たちが目指しているのは、単なる“建物”としての別荘ではなく、体験や価値までを一貫して設計・提供することです。企画から施工、設備・家具の開発、販売、運用サポートまで、すべてを自社でプロデュースすることで、できるだけコストを抑えながら理想的なサードプレイスを提供できるよう努めています。たとえば、ダイニングセットやフィンランドサウナなども、自社でデザイン・製作したもの。別荘での過ごし方を具体的に思い描きながら、量産では難しいサイズ感や質感にこだわっています。

こだわりの空間を全国に届けるため、私たちは「仕組みづくり」にも注力してきました。その努力から生まれたのが、独自開発した日本発の別荘専用ECサイト「RAKU TAP」です。Web上で物件を選び、設備をカスタマイズすると、諸経費や引っ越し費用まで含めたトータルの見積もりがリアルタイムで確認可能で、さらに契約申し込みまでオンラインで完結できる仕様になっています。Amazonでモノを買うように、「好きなときに、好きな場所から別荘を購入できる」。この「RAKU TAP」に全国の工務店が加盟し、日本各地にit’s Houseの別荘が展開されていく未来を目指しています。

軽井沢から広がる、別荘の地域価値

「軽井沢で貸別荘をして、本当に収入が得られるのか」と不安に感じる方もいるでしょう。しかし軽井沢は、年間800万人以上が訪れる観光地であり、景観維持に関する条例によって美しい街並みが保たれた、国内でも稀有なエリアです。人気が高いため個人では土地の確保が難しいのが現状ですが、当社では2000坪クラスの土地を一括仕入れし、分譲という形で提供。it’s Houseを通じて、今からでも軽井沢に別荘を持つことが可能になります。美しい別荘を計画的に建てることは、地域の価値向上にも繋がります。別荘開発によって地元業者の仕事が生まれ、自治体には税収が入り、治安改善にも寄与することができるからです。今後は行政との連携も視野に、遊休地や空き地の再生といった新たな価値創出にも取り組んでいきたいと考えています。

また、貸別荘の運用を通じてインバウンド需要を取り込むことで、地域経済への波及効果も期待できます。実際に、世界最大級の不動産ネットワーク「ケラー・ウィリアムズ」から、同社を通じて軽井沢の別荘を購入された外国人顧客もいらっしゃいます。別荘に求められる「愉しく・賢く・永く」という価値観は、万国共通。今後もその本質を追求しながら、世界に通用する別荘事業を展開していきます。

サードプレイスを身近にする、it’s Houseの挑戦

国内の別荘保有率15%を目指し、今後は熱海・伊豆などの海辺エリアや那須へも事業を展開していく予定です。日本には観光地としてのブランド力を持ちながら、土地の魅力を活かしきれていない場所が多くあります。一方で観光客の激増により、宿泊施設が不足している状況も見逃せません。そこで、各土地の魅力ある自然環境や観光資源を活かしながら、滞在や宿泊の受け皿となる別荘を展開し、人の流れをよりスムーズにする。そうすれば、地域ごとに異なる非日常体験を、より多くの方に楽しんでいただけると思います。

価格帯についても、これまでの1億円前後のハイグレードモデルに加え、3000万〜5000万円台のセカンドラインを検討中です。将来的には20口シェア型などの新しい所有モデルにも着手し、誰もが“サードプレイス”という選択肢を身近に感じられる環境を整えていきたいと考えています。若い方の中には、独身時代からマイホームを購入するケースもありますが、私はまず“収益性のある別荘”を所有することをおすすめします。若くして別荘を持つというのは誇らしい体験ですし、ライフステージに縛られず、運用益を見込める物件を持つことは、将来の豊かさにも繋がる資産形成になります。“資産”としての別荘を、もっと多くの人に知ってもらいたいですね。

目指すのは、「別荘といえばit’s House」「it’s Houseといえば別荘」と認知されるポジションです。“愉しく・賢く・永く”利用できる別荘がこの国で文化として根づけば、日本社会はよりしなやかに、持続的に発展していけると信じています。

株式会社 it`s HOUSE

代表取締役

1992年、新卒で日本ハウスHDに入社。顧客との打ち合わせ後に必ず自筆の手紙を投函するなど、真摯な姿勢と情熱で多くの信頼を得る。その後、㈱ユニバーサルホーム執行役員、㈱ホーメスト代表取締役社長などを歴任し、2021年にLIVNEXグループより独立。2022年、㈱it’s Houseに商号変更。「建築業界から日本を変える」との想いから、別荘事業をスタートさせる。