INTERVIEW
学生アスリートの留学を全面的にサポート
I-Con Sports Japan(アイコンスポーツ・ジャパン)
代表 西谷真彰
スペインに本社を置き、これまで数多くの高校生たちを奨学金対象のスポーツ留学へと送り出した実績を持つI-Con Sports Japan。1000校以上にも及ぶアメリカの大学と連携し、恵まれた環境でスポーツに打ち込めるよう留学にまつわるすべてをサポートする。もともと自身も同社を利用していた顧客だったという日本支社の西谷真彰代表に話を聞く。
学生アスリートの留学を全面的にサポート
我々は、アメリカの大学へ「Student-Athlete(学生アスリート)」として留学する子どもたちのサポートを行っています。初期段階の留学相談から始まり、具体的な大学の絞り込みや奨学金の交渉、実際の大学視察やコーチとの面接準備まで、留学に関することすべてをお手伝いしています。一番多いのはテニス。そのほか、ゴルフやサッカー、陸上などさまざまなスポーツを行う学生を奨学金対象で、アメリカの大学へと送り出しています。いわゆる勉強で留学する、通常の留学エージェントは国内に数多くありますが、大学で勉強しながらスポーツにも打ち込む文武両道の「Student-Athlete」の留学をサポートしているエージェントはごくわずか。間違った情報に惑わされる方も少なくありません。
我々I-Con Sportsは、これまで日本だけで延べ150人以上の高校生たちを奨学金対象で送り出してきました。その経験から「本当のところはどうなっているか」というところをしっかりと説明できること。また、スペイン本社の実績は20年以上。それを活かした大学コーチとの豊富なコネクションから、個々にあった留学先を提案できることが大きな強みです。
学生の人生を左右するという責任感
卒業後に返済する必要のある日本の奨学金とは違い、アメリカの大学の奨学金のほとんどが給付型。4年制大学だけを比べても約3倍の大学数ということもあり、スポーツで奨学金が得られる大学も数多く存在しています。また、日本の大学だとスポーツ推薦ならスポーツ系の学科というようにある程度学部が決まってしまうところもありますが、我々が連携するアメリカの大学は学部の縛りがほとんどありません。日本だと専門学校に行かないと学べないような分野の学問も勉強できる。自分にあったレベルや学びたい学問の大学を探せる、というのも大きなポイントです。
そういった背景から、実際に留学を希望する学生とはかなり時間をかけ、じっくりとカウンセリングを行っています。どんな大学生活を夢見ているのか。どんな人生を歩みたいと思っているのか。そういったことを彼らから聞き出すのが、我々の何よりも重要な仕事です。彼らの希望を私が正しく理解しなければ、いい提案ができませんから。留学するかしないか。さらに、どういったところに留学するか。それによって彼らの人生が変わる。私の発言が彼らの一生を左右することになる、という強い責任感を持っています。実際に会うことで現実味が増す効果もありますから、初回の面談は極力対面で。また、英語ができなくても大丈夫、というような安請け合いはしないようにしています。我々のモットーは誠実さ。事実を伝えることも大切にしています。
息子のスポーツ留学で苦労した経験から
実は、私自身がもともとI-Con Sportsのお客さまでした。息子がテニスでアメリカの大学に留学。そのときにとても苦労したんですね。今から8年ほど前のことになりますが、当時はスポーツ留学のサポートをするエージェントはほとんどなく、手探りで情報を集めるなか、留学をすると決めたからにはやっぱり成功してほしいと半信半疑でI-Con Sportsにコンタクトを取りました。当時のI-Con Sportsには、日本在住の専任担当者がおらず、スペイン本社とニューヨークからリモートで日本の子どもたちをサポートしている状態。それもあって、ちょっと日本の実情とあっていない提案だな、と思うことも少なからずありました。
例えばテニスの場合、日本はいわゆる「ジュニア」のテニスと「高体連」のテニスが並行してあるため、両方を組み合わせると試合数がかなり多い。ですが、エージェントからは留学したいなら海外の国際大会に出てください、と言われる。また、アメリカの大学の英語の試験はリーディング、リスニング、スピーキング、ライティング。4つの技能を全部勉強しなくてはならず、日本の大学受験に必要のない項目に関しては、どうやって取り組んだらいいんだろうと、試験対策に関しても苦戦したことを覚えています。
誰でも奨学金を得るチャンスがあると伝えたい
そんなI-Con Sportsの仕事を手伝うことになったのは、ちょうど息子がアメリカの大学に入学する少し前のことでした。20余年勤めた外資系の会社を早期退職することとなり、息子を送り出した経験から少し手伝ってほしいと請われたのがきっかけです。当初は、ボランティアのようなものでしたが、アメリカで活躍する学生がだんだんと増え、実際の留学はこんな風だよ、と聞くチャンスのある子も多くなったことで、留学を希望する学生が増加。そこで、彼らをサポートする人が必要だなと。自分の過去の経験から、日本の情報も知っている人間。日本とアメリカの大学生活の違いなども説明できる専任のスタッフがいた方がいいなと考えるようになりました。
ほかにやりたいこともあったので悩みましたが、自分の経験が少しでもこれからの若者の役に立つのなら、とこの仕事を真剣に始めることを決意し、JAOS(一般社団法人海外留学協議会)認定の留学カウンセラー資格を取得。代表に就任後も、留学を希望する若者たちと積極的に向き合っています。今は居住地による情報格差の解消をはじめ、普通科の高校でもスポーツ留学はできる。誰でも奨学金を得るチャンスがある、ということをもっとたくさんの高校生たちに知ってもらいたいと活動の幅を広げています。
留学は自身のアイデンティティを見直すきっかけに
吸収力があり、柔軟な若いときに海外に出る、ということは非常に重要なことだと感じます。日本のなかにいると、日本のやり方がスタンダート。これしかない、と考えてしまいがちですが、海外に出ると他にもさまざまな方法があるなと気づくことも多いでしょう。私自身、大学卒業後は外資系の会社に就職。外資系では当たり前ということも、日本企業に勤める友人からは驚かれることが多々ありました。実際に1年生、2年生、3年生と帰国する度に大きく成長する子供たちの姿を目の当たりにすると、もっとたくさんの若者にこういったことを経験させてあげたい、と思います。留学前に「将来どうするの?」と聞くと多くの子が「プロになりたい」と答えます。ですが、数年経つとほとんどの学生が全く違うことを口にします。プロ以外にも選択肢があることが分かった。勉強を続けたいから大学院に行く、といったように、プロになるという初志貫徹する学生はほんの一部。視野が広くなった結果、自分の将来の選択肢も増えるわけです。スポーツのレベルはもちろん、人間力を磨く。一回り大きな人間になって帰ってくる、というのが留学の大きな魅力だと考えています。
また、アメリカに渡った学生の大半が「自分は日本のことを全然知らなかった」と口にします。意外と日本のアニメやカワイイというカルチャーについて聞かれることが多いそうなんですね。そこで、日本の魅力に気付いたり、自分はどんなルーツがあるんだろうと考えたり。自分の国やアイデンティティを見直すというのは、ある意味ローカルな視点ですがグローバルな感覚を得たからこそ出てくるものなのかな、と思っています。
スポーツ留学から人生のサポートへ
今は留学という大学進学の「入り口」のサポートですが、その後の就職活動などの「出口」のサポートにも力を入れたいと考えています。我々のサポートで留学した学生たちの実体験など「生の声」を届けることはもちろん、企業で実際に採用活動も担当していた私の経験も生かせるのではないかと。I-Con Sportsの持つさまざまなコネクションを、さらに活用していきたいですね。
これからの時代を生きる若い方々にとって、今の時代は日本という枠のなかでとどまってはいられない時代になってきているのではないでしょうか。「夢を夢のままで終わらせず」一歩を踏み出してみる。そのために、我々のようなエージェントがいるわけですから。遠慮せずにどんどん話を聞きにきてもらえたらうれしいです。人生のサポート、というと大げさすぎるかもしれませんが、今後もそのくらい真摯な気持ちと覚悟を持って海外を目指す若者たちを支えていきたいです。